4.8 入射不可に陥った場合の対処
  1. Linacの繰り返しを1Hzにする。
  2. BTの終端までビームが来ているかLinac/BT Orbitパネルで確認する。
  3. Linac/BTの軌道のmeas-goldをLinac/BT Orbitパネルで表示させて0から大きくずれていないか確認する。
  4. meas-goldとは、現在の測定軌道と調子が良かった時のLinac/BTの軌道との差である。もしmeas-goldがdispersionの形をしていたら、Linacのエネルギーがずれていることになるので、dispersionパターンが消えるようにLinacのエネルギーノブで調整する。
  5. BT End Feedbackでビーム位置がターゲットにきているか確認する。
  6. HER入射の場合、スクリーン12番でビームの幅を確認する。ビームの幅がエネルギーの広がりによって大きくなっている場合、サブ・ブースターの位相を調節してビームの幅を小さくする。正常な時のビームの幅はスクリーン全幅の4分の1程度である。
  7. ビームが蓄積されている場合はLinacの繰返しを適切な値にし、セプタム、キッカー、V. steering、入射Phaseを一通り調整してみる。それでもダメならビームを捨てて以下の操作を行う。
  8. ビームが蓄積されていない場合、リングのステアリングをビームが蓄積されていた時刻の設定をセットしてみる。リングのステアリング・パネルで設定すべきステアリングをLoadしSet Magnetを押しパネルのインジケータ−が全て緑(一部青色)になるのを確認する。
  9. HER入射の場合、iBump Feedbackのパネルを確認する。V Bump Angle at IPの値が0.3 mrad以上になっていたら0を入力してDirect Setをしてみる。
  10. CTをオシロで見えるようにする。レンジを例えば5mV、20 micro secにし、Extトリガーにする。8 CTでパルス毎の変動が大きい場合はAR/PF同期になっていないか確認する。
  11. 数百ターンくらいしている場合は、リングのチューンを変えてみる。例えば水平方向に0.002、または垂直方向に 0.002程度上げてみる。数ターン以下の場合は以下の手順を踏む。但し、Belleのバックグランドが大きくなりすぎないように注意する。
  12. Injection Controlパネルで現在のパラメータを保存した後、入射が比較的良かった時のパラメータをロードしてみる。
  13. BT終端のスクリーン20番でビームの位置とプロファイルを確認する。ビームを削らない程度に、セプタムの壁ギリギリまで近づける。セプタムにビームを近づけたい場合はInjection ControlパネルでPosition at SC20(mm)の値を減らし、遠ざけたい場合には値を増やす。ビームのプロファイルが全くはっきりしない場合は、BTでのマッチングに問題があるのでBTのOptics調整を行う。
  14. セプタムからのビームの入射の角度、Angle at SC20(mrad)の値を変えてCTでターン数の増える所を探す。
  15. HER入射の場合、セプタム4台に対して「位置」と「角度」という2つのパラメータを制御しているため、たとえ同じ「位置」と「角度」であっても、必ずしも同じセプタムの値になるとは限らない。但し、同じセプタムの値ならば、「位置」と「角度」は必ず同じになる。セプタムとキッカーは「蹴り角」で保存していることに注意。
  16. BT終端の垂直方向のステアリング V. Steering(mrad)を変えてCTでターン数の増える所を探す。
  17. Kicker Height、Kicker Jumpを変えてみる。Kicker Heightは通常、20mmから30mm程度の範囲にあるはずである。
  18. Inj. Phase(deg.)の値を変えて、入射位相を変えてみる。
  19. 衝突点付近のステアリングを調整する。Injection ControlパネルでHER IR SteeringまたはLER IR Steeringボタンを押すとマグネット・アジャスターのパネルが現れる。0.001mradステップで調整してみる。
  20. Kicker調整をone turn 入射にしてみる。Kicker Heightを0に、Kicker Jumpを1付近に設定し、以上で述べたセプタム、V. Steering、入射Phase、チューン(特に水平方向のチューンを上げてみる。)の調整をしてみる。Kicker Jumpを下げて行くとKicker Heightが0でも蓄積されるポイントがあるはずである。
  21. 以上の操作を一通り試みて入射しない場合は、大西、小磯、船越、生出のいずれかに連絡する。
  22. 衝突点の$\beta$関数を広げる。
  23. ビームが蓄積できるようになったらゲートを閉じてライフがあるか確認する。HERは200分、LERは100分以上。ライフがなければチューンを上げてみる。または、Chromaticityを上げてみる。
  24. Vertical injection errorを減らすためにBT End Feedbackのターゲット値を変えてみる。
  25. 入射キッカーの波形とタイミングをオシロで確認する。

3/15/2001
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